前回の記事では稚鮎の移動とその遡上についてまとめてみた。
今回は稚鮎についたシーバスを狙った話。
そもそも何で稚鮎に的をしぼったのかという点から。
3月はイナッコパターンと思われる釣りでそれなりに釣れていた。
4月になってイナッコは多少付き場を変えたが、相変わらず豊川とその河口域に相当数いる。
それでもシーバスの反応は激減した。
ハクを食いに来るシーバスはいるがセイゴサイズで、良いサイズでも40㎝ぐらい。
そこで3月と4月の違いとは何かを考えた時、水温上昇と稚鮎の存在が思いつく。
経験的に春の豊川河口域は水温が15度を超えるとシーバスの釣果が減ってくる感じがしている。
そして秋の話になるが、水温が20度を下回って落ち鮎が下りきってから、豊川河口での釣果が良くなる感じがしている。
これらの点からシーバスは鮎を追って移動していると推測したから。
(鮎を追うが鮎だけを食っている訳ではないと思う。)
(2月、3月に針掛かりはしなかったが、細身のルアーを完全ダウンで流して乗らないアタリが幾度かあった。
今振り返るとこれは稚鮎を狙ったシーバスだったのではないかと思っている。)
まず豊川の稚鮎の付き場を調べると、河口域から上流方向(河口から10キロぐらいの地点までの11か所)のシャロー帯にて、稚鮎(体長5㎝前後)を確認できた。(4月25日時点。ウェーダーでシャロー帯に立って水中を観察。)。
ただ、それらのシャロー帯で4月も釣りをしていたが、シーバスの反応はなかったので、それより上流での釣りを優先することに。
ちなみに豊川は吉田城近くの橋から上は遊漁券が必要になります。
(自分は豊川の上と下を年券で購入済み。)
たまに遊漁証なしで釣りをしているような人を見かけるが、必ず買いましょう。
遊漁証なしで釣り → 場合によっては逮捕 → 就業先の社内規定によっては懲戒解雇処分、ということもありえますので。
5月1日
大潮前中潮1日目、満潮15:31。
状況としては4月末の雨で増水した後。
濁りは完全に消えて増水も治まりつつあるが、それでもいつもより水量が多いタイミング。
GW期間ということで各釣り場には釣り人が多い状況。
狙いの釣場には幸い先行者がいなかったので、19時過ぎでも釣場に入れた。
釣場は稚鮎がいるシャローと深みが隣接するポイント。
シャロー帯は反転流が出ており、良い感じ。
時折稚鮎も水面を跳ねており、増水前とさほど変わらないベイト状況。
スタートは反転流周りからコモモSF85で探るが、反応はない。
流れの中はどうかとごっつぁんミノーをアップから流すがこちらも反応はない。
レンジが下かと流れの中をブローウィン80Sで流すも同様。
ここでコモモに戻して反転流を様々な角度から攻めているとモソっと手ごたえを感じるのでフッキング。
時刻は19時30分を過ぎた頃。
手元には魚らしき反応が伝わってくるが、明らかにシーバスとは違う引き。
グネグネとただ重さを感じるだけですぐに寄せられた。
河原にあげると正体はナマズ。
ん~、君じゃないと思いながらも一応撮影。
比較的綺麗な水だけどおいしいのだろうか。
愛嬌のあるひげ面を見つつ、かば焼きなら泥臭さも消えるか?と考えつつリリース。
釣れたルアーのトレースコースはこんな感じ。
立ち位置からアップにキャスト。
本流にルアーが着水したらラインを足元から水につける。
この際ラインの着水点を調整して反転流にのせると、ラインは反転流に留まろうとするが、本流のラインとルアーは流される。
本流のルアーが流されきると、今度は反転流のラインに向かってルアーが泳ぐ。
その為、自分よりアップの位置にあってもルアーの頭は上流に向く。
こんな感じで巻いてくるとルアーはS字を横に倒したようなコースで泳いでくる。
よく分からない方は反転流を探して、トップウォータープラグで軌道をご確認ください。
このS字ドリフトの1つ目の頂点から、2つ目の頂点へ向けてルアーが泳いでいる時にバイト。
本流を流されて反転流の中に入ろうとしている稚鮎の動きを再現できただろうか。
そこから場を少し休ませて再開するが反応はなし。
ナマズが釣れてから1時間経過した頃。
場所変えを考えていると、稚鮎がざわつきだす。
何だと思って見ていると、目の前でボイル
月明りで銀色の魚体と見える距離。
動かずにそのまま待ってもボイルはないので、ひとまず水辺から下がってキャスト。
先ほどのナマズと同じS字ドリフトで通すが反応はない。
少し間をおいて再度同じコースを通す。
S字の2つ目の頂点を迎える頃にガツンとバイト。
待ってましたと渾身のフッキングを決めると、ガバガバとエラ洗いの音が重い。
幸い魚は本流の流れに入っていかず、緩やかな反転流内でやりとりをできたのでサクッとキャッチ。
サイズは71㎝。
稚鮎パターン狙いでまずまずのサイズ。
銀ピカの綺麗な魚体だった。
蘇生の際、丸みを帯びた石を背景に見る魚体は新鮮で、透明度の高い水は魚体を一層綺麗に見せてくれる。
リバーシーバスを釣っている人には当たり前の光景かもしれない。
ただ、豊川においては数少ない経験ではないだろうか。
そんなほれぼれした光景を、写真に撮り忘れたことを猛烈に後悔している。
ちなみにリリース後、ボイルがあった水深を測ってみると15㎝もなかった。
ヒレがボロボロなシーバスがいるのは、こういうとこでも食っているからかと納得。
そしてメガバスの久保田さんが、川に入ってくるシーバスは釣人がキャストもせず入水するシャロー帯にもいると言っていた動画を思い出した。
どうもドシャローの捕食は特別なことではなく、それなりにあることらしい。
今後の釣りに生かしていこう。
その後も追加を狙うが反応なし。
場所を変えた先も同様で納竿。
5月2日
昨日と同じポイントで釣りをして、エラ洗いされて1バラシ。
水面を割る音から昨日と同じサイズ以上と推定。
スズキサイズは確実に稚鮎を追って川に入っていることを確認できたのは大収穫として、釣りを終了。
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